遺言のルール

遺言

こんにちは、神奈川県大和市の行政書士の角田です。

遺言って聞くとどんなイメージを持ちますか?

死ぬ間際に資産家が家族を枕元に並べて、「私の財産は○○に相続させる。」って厳かに話すみたいなイメージでしょうか?

実際には遺言で出来ることは法律で決められていますし、書き方を間違えると無効になってしまう可能性もあります。

遺言は遺言者の最終意思の実現にあります。

無効になっては困るわけです。

そこで、まずは遺言を作る時の基本ルールを説明していきます。

遺言の方式

遺言は、民法に定められたルールに沿って作らないと無効になってしまいます。

また遺言でできることも民法で決められています。

例えば、遺言書に「私の死んだ後は、家族で協力して、仲良くお母さんを大切にして暮らしてくれ」と書いてあったとしても、あくまで道徳的な意味しかありません。

この文言に違反したからって、何かある訳でもないですし、何もおきません。

他に遺言には日付の記載が必要になる方式があるのですが、「令和2年吉日」みたいな書き方をしてしまうと、日付を特定できない為、この遺言は無効となってしまいます。

この様にしっかりとルールを理解して作成しないと、遺言の作成自体が意味のないものとなってしまいます。

では以下に遺言の方式を整理していきます。

大きく分けると2つの方式があります。

・普通方式の遺言
・特別方式の遺言

特別方式は死亡の危急時の遺言の仕方や、伝染病隔離者の遺言など、特殊な状況での遺言の作り方があります。

ちょっと特殊なので、この記事では説明しません。

一般に遺言を作る時に想定されているのが、普通方式の遺言です。

普通方式の遺言には3種類あります。

・自筆証書遺言
・公正証書遺言
・秘密証書遺言

この中でよく使われる自筆証書遺言と公正証書遺言の2つを説明していきます。

自筆証書遺言

手書きをする遺言のことをいいます。

手軽に作れる方式であり、1人で作る事ができます。

自筆証書遺言の要件は以下になります。

1.全文、日付、氏名を自分の手で書きます。
2.押印

上記の要件をクリアーすれば遺言は有効になります。

全文を手書きしないといけません。パソコンで入力した遺言は無効です。

また日付がない遺言も無効です。

「令和2年3月吉日」や「4月17日」とだけ書かれたものは不可です。

前者は日付が特定できないし、後者は何年に書かれたものか分からないからです。

「長野冬季オリンピック開会式当日」と書かれたものは、年月日が特定できるので、有効な遺言になります。

難しく考えずに、「令和2年4月17日」など普通に手書きすれば問題ありません。

氏名を書くのは誰の遺言か特定するものなので、自分の名前を手書きして下さい。

遺言の本文の部分も手書きが必要です。

「私の財産はすべて妻に相続させる」のように、記載します。

後は押印です。これは実印でなくても、大丈夫です。拇印も可です。

この様に、まずは全文、日付、氏名を手書きして、最後に押印をすれば形式上は自筆証書遺言が完成します。

自筆証書遺言の注意点

・自筆証書遺言訂正の仕方
・財産目録

上記を説明していきます。

自筆証書遺言の訂正の仕方

訂正の仕方は少し複雑になっています。

手書きをしないといけないのですから、書いている内に間違えてしまうこともあるでしょう。

その時の訂正の仕方が決められています。

ルールに沿った訂正の仕方をしないと、訂正がされなかったものとされてしまいます。

ちょっと文章で書くと難しくなってしまうのですが、「自筆証書の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更をした旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない」となっています。

軽微な訂正ならともかく、大幅に内容等が変わる場合は、書き直しするのが無難だと思います。

財産目録

財産目録とは財産の種類が多いときなどに、一覧にして、遺言の本文で、「財産目録1記載の不動産は長男に相続させる」などの様な書き方ができます。

ただ自筆証書遺言だと、この財産目録も手書きしないといけなかったので、大変だったんです。

間違えると訂正の仕方も厳格ですし中には不動産だけで、何筆も持ってる人もいるわけで、莫大な量になってしまうので、現実的ではなかったんです。

これが近年法律改正されて、この財産目録はパソコン等で入力が可能になりました。

ただ注意点としては、入力した財産目録の用紙1枚毎に、手書きでの署名と、押印が必要になります。

自筆証書遺言で財産目録を作成する際には、この署名と押印を忘れないように注意して下さい。

公正証書遺言

私たち専門家がおすすめする遺言が公正証書遺言です。

公正証書遺言の作成の仕方は下記になります。

・証人2人以上の立会
・遺言者が遺言内容を公証人に伝えて、これを公証人と遺言者と証人2人に、閲覧させる。
・遺言者と証人が内容をを確認して、各自が署名押印する。
・公証人が署名押印する

公正証書遺言の優秀性

・遺言書の原本が公証役場に保管されるので、仮に自分の手元にあるものを紛失したとしても、遺言内容の実現が可能です。

・遺言の作成に法律のプロである公証人が関与しているので、法的に無効な遺言書を作成してしまう可能性が、きわめて低い。

・後日裁判所での検認が不要

「検認」とは家庭裁判所が行う一種の証拠保全手続きです。

自筆証書遺言、秘密証書遺言の場合に必要になります。

遺言書の保管者が、相続開始を知った後、遅滞なく、請求しないといけません。

遺言の効力とは関係ありませんが、検認をした遺言書でないと、遺言内容を実現するための、相続手続きが出来ません。

この手続きが公正証書遺言だと不要なので、相続が開始したらすぐに、相続手続きを進める事ができます。

遺言は遺言者の最終意思の実現が目的ですので、法律のプロの目が入り、紛失等のリスクもないものが一番です。

法改正情報

2020年7月10日より法律が改正されて、自筆証書を法務局で保管することが可能になりました。

これにより紛失のリスクもなくなり、しかも上記記載の家庭裁判所への検認手続きも不要になりました。

今後は自筆証書遺言の作成数が増えるかもしれません。

まとめ

・遺言の書き方にはルールがある

・普通方式と特別方式に分かれている

・自筆証書遺言と公正証書について

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